終末期について

看取り介護(終末期)の方について
Q、そもそも看取り介護とはなにですか?
近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、 人生の最期まで尊厳ある生活を支援することです。つまり看取り介護とは、要介護状態を改善したり維持したりするための介護ではなく、本人ができるだけストレスなく、自分らしい最期を迎えるための介護だといえるでしょう。
 これまでは終末期になると、入院を余儀なくされ、少しでも生命を維持することが優先されてきました。しかし、「鼻から管を通し、体中に機器を取り付け、モニターで心拍数を確認する”スパゲティ症候群”と言われる状況が、人道的であるのか」という意見も少なくありません。
 そうした状況を踏まえ、その人らしい最期を迎えるために、医師の指示による疼痛緩和等の処置を適切に行い、自宅や施設で静かに死を迎える「看取り」の考えが広がりました。
Q、看取り介護とターミナルケアの違い
「医療対応か、介護対応か」という点が異なります。
 ターミナルケアが「終末期医療」や「終末期看護」と訳されることからもわかる通り、点滴や酸素吸入などの医療的ケアを中心とするのに対し、「看取り介護」は、食事や排せつの介助や、褥瘡の防止など、日常生活のケアが中心になります。
Q,最期まで居られますか?
A、「大和の故郷や旗艦長門」では看取りについても積極的な姿勢をとれるように、設備はもちろん、人員配置・医療連携を整えております。もちろん、病院ではありませんので、すべてのケースで看取りを実施できるわけではありませんが、ご要望をいただいた場合は、お一人おひとりのケースによりそのつど、ご本人様の意向、ご家族様の意向、お身体の状態、主治医を含め、十分な話し合いをさせていただいた上で、実施させていただきたいと考えます。
Q,看取りの考え方は?
A、その方の身体状況によっては難しい方もおられます。しかし、ご本人やご家族が望まれるのであれば、終の棲家として最期の時を可能な限り当施設で迎えていただきたいと考えております。ご家族と協議させていただく中で、提携先の医療機関等のご協力を仰ぎつつ、出来る事、出来ない事をご納得いただきながら、職員が総力でアシストさせていただきます。
 また症状に応じて、主治医の指示で痛みをおさえる緩和ケア(麻薬の処方など)や在宅酸素療法なども行います。
Q,看取りの際に分かっていただきたいこと
A,看取りの方が、常に眠るように亡くなるとは限りません。末期がんなどの場合、苦しみながら死を迎えることがあります。
 ご家族にとっては目を伏せたくなるようなことや、「こんなことなら入院させればよかった」と後悔することもあるでしょう。看取りとは、「怖い、苦しい」など、死を迎えた方々のつらい思いを、ご家族や慣れ親しんだ職員が寄り添うことで、少しでも和らげるためのケアなのです。
 職員の中には、勤務時間が終わっても、亡くなるのを見届けるまで帰らなかったり、休みの日でも心配で施設に来たりする者も少なくありません。ご家族におかれましても悔いなく最期を見届けてください。
Q、看取り介護かターミナルケアかをよく考えていただきたい
A、看取りがよいのか、最大限の医療(ターミナルケア)を尽くすべきなのか、正解はありません。しかし、どういうプロセスを辿っても「死」は必ず訪れます。もし迷われているのであれば、ご家族や施設とよく話し合って、後悔しない方法を選択してください
 近年は最期の時期に医学的介入をあまりしない方が、本人は楽に過ごせる場合もあることが知られるようになってきました。
 例えば、生命の最終段階になると、体が食べ物を受け付けず、人は自然と食べなくなるといいます。家族としては、つい何か栄養を与える延命治療を行ってもらいたくなります。
 しかし、それがかえって本人に苦しい思いをさせている場合もあり、終末期においては、治療しない方が穏やかな最期につながるとして、延命治療を希望しない人も増えてきたのです。
 同時に、延命治療については、家族や医師ではなく、患者本人が決めるものではないかという考え方も広まってきました。
 本人の意思を元気な間にきちんと確認・尊重して、望まない延命治療をしない事が最良の選択になる場合もあります。